食味値(しょくみち)って何?
2018.03.14美味しさが見える?
美味しいお米が好きな皆さん!
食味値(しょくみち)って知っていますか?
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、
簡単に言うとお米の美味しさを100点満点で数値化したものです。
フルーツの甘さを糖度計で計測できるように、
お米にも食味分析計という食味(味わい・おいしさ)を計測する機械があります。
数百万円するものすごく高い機械なんです!
↓ 当店の食味計です! コンクールでも使用される静岡精機製です。
計測方法は簡単で、品種の設定など多少ありますが下の写真にあるトレーに
玄米を入れてボタンを押すだけです。
後は機械が勝手に分析計測してくれます。
では、食味計が何を計測・分析しているかをお教えします。
玄米に含まれる4つの成分を計測しているのです。
1 「アミロース」
お米の中のアミロースの量です。
アミロースはお米の主成分であるデンプンに約20%含まれています。
アミロースが少ないほうが粘りがありモチモチした食感でおいしいお米と言われています。
低アミロース米の代表品種としてモチモチ食感のミルキークイーンがあります。
2 「タンパク質」
お米の中のタンパク質の量です。少ないほうがおいしいとされています。
タンパク質は水を通しにくいため、タンパク質が少ないお米は、吸水が良く
ふっくらとしたおいしいご飯になります。
3 「水分」
水分の量です。
14.5~16%の間が最適とされています。
水分の量が少ないとひび割れを起こしてしまい、
炊飯する時にべちゃっとしたご飯となり、食味が悪くなります。
4 「脂肪酸度」
脂肪の酸化度を測定し、表します。
生鮮食品であるお米は、低温保管していても時間の経過と共に酸化します。
脂肪酸化度が低いほど新鮮で美味しいお米といえます。
以上4つの成分を測定し、食味方程式により食味値を出します。
下の画像が測定結果のサンプルです。
こんな感じでデータが出ます。
94点はめったに見れません。
◆ポイント
・食味値は、100点満点で表し、数値が高いほど美味しいお米と言われています。
・70%の人が美味しいと感じるのが70点だそうです。
・米風土ブランドでは、コンクールで80点以上のスコアを出した生産者だけを扱っています。
生産者さんは、食味値だけで美味しさを言わないでほしいと言います。
それは、私も同感です。
わたしたち米百選スタッフは、毎日いろんな生産者のお米を食べ比べています。
これまで何百という生産者のお米を食べ比べてきて私が思うことをまとめました。
・75点以上のお米はだいたいハズレなくおいしい
・ある程度高い点数のお米は、全部美味しい。
例:85点と95点以上のお米と食べ比べた場合、どちらも美味しく点差分の違いは分からないです。
・美味しくないと思うお米はやはり食味値が低い
コンクールに出る生産者は、美味しいお米を作り食味値を上げるため日々努力し研究しています。
コンクールのように大量のお米を評価する時に、
すべてのお米を炊いて食べるわけにはいかないので
ふるいにかける手段としては食味値は最適なツールだと思います。
以上、食味値のお話でした。